遺言書の種類

法律では、7種類の遺言について規定していますが、一般的なものとして、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つがあります。

【自筆証書遺言】

遺言者が、遺言の全文、日付および氏名をすべて自分で書き、押印して作成する方式の遺言です。
なお、財産の書き方については緩和され、2019年1月からパソコンで入力して印刷したものや、不動産の登記事項証明書、通帳の写しを使用できることになりました。(1枚ごとに署名、捺印が必要です)

自筆証書遺言を使い、相続・遺言の手続をする場合、現行の法律(※)では家庭裁判所で「検認」の手続をする必要があります。

自筆証書遺言は、誰にも知られず遺言書を作成することができ、遺言書作成の費用があまり掛りません。

一方で、方式に不備があると遺言書が無効となる危険性があり、また、せっかく書いた遺言書が自分の死後に発見されなかったり、紛失の恐れ、他人による偽造・隠匿・破棄の危険性が大きい、というデメリットもあります。

(※)令和2年7月10日から「遺言書保管制度」が施行されます。この制度につきましては、別コラムでご案内します。

【公正証書遺言】

遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して公正書証による遺言書を作成する方式の遺言です。
公正証書遺言は、専門家である公証人が関与しているので方式不備の心配がありません。

また、遺言書の原本は公証役場に保管されるので、偽造や変造などの危険性が少なく、さらに、家庭裁判所での検認手続きをせずに遺言の内容を実現することができます。

遺言作成の費用がかかり、また、遺言の存在の内容が明らかになってしまう恐れがあるものの、自筆証書遺言よりも手間がかからずに遺言の内容が実現できるメリットがあります。

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