遺言書があるか知りたいときは?

ご家族が亡くなった際に「本人が遺言書を書いていたのかどうかわからない」ときはどうしたらいいでしょうか?

ご自分で書いた「自筆証書遺言」の場合は、書斎の引き出し、タンスの中、仏壇の引き出し、銀行の貸金庫など、ご本人が保管していそうな場所を、ご家族の方が自力で探してもらうしかありません。
また、信頼のおける知人・友人に預けている場合や、遺言書作成の際に、旧知の司法書士、行政書士等の専門家が支援をしたことも考えられますので、心当たりがあれば、それらの人物に確認することで、遺言書が見つかる可能性もあります。

なお、公証役場で作成した「公正証書遺言」の場合は、公証役場で遺言書の原本を保管しており、日本公証人連合会が管理している「遺言検索システム」を利用することにより、遺言書があるかどうかを確認することができ、相続人等の利害関係人はもちろんのこと、代理人によってもこの検索システムを利用することが可能です。

【遺言検索システムを利用できる公正証書遺言】

 昭和64年(1989年)1月1日以降に作成された遺言書・・・全国の公証役場で一括検索が可能です。

※昭和63年(1988年)12月31日以前に作成された遺言書については、遺言をしたかもしれないと思われる
 公証役場(亡くなった方の住所の近くの公証役場など)に問い合わる必要があります。

【遺言検索システムを利用できる人と一般的な必要書類】
 ※必要書類は請求する公証役場により、異なる場合がありますので、請求先の公証役場に事前に確認しておくと
  二度手間が防げます。

①相続人等利害関係人が請求する場合
 1)遺言をしたかもしれないと思われる方の死亡の記載のある除籍謄本
 2)遺言をしたかもしれないと思われる方との相続関係を証明する戸籍謄本または
   利害関係があることがわかる資料
 3)請求者の本人確認書類等(下記のいずれかの書類)
   A)運転免許証、マイナンバーカード等、官公署が発行する写真付きの身分証明書及び認印
   B)印鑑証明書(発行から3カ月以内の日付のもの)及び実印

②上記①の代理人が請求する場合
 1)遺言をしたかもしれないと思われる方の死亡の記載のある除籍謄本
 2)委任者と遺言をしたかもしれないと思われる方との相続関係を証明する戸籍謄本または
   利害関係があることがわかる資料
 3)委任者の印鑑証明書(発行3カ月以内の日付のもの)
 4)委任状(委任者の署名及び実印の押印があるもの)
 5)受任者の本人確認書類等(下記のいずれかの書類)
   A)運転免許証、マイナンバーカード等、官公署が発行する写真付きの身分証明書及び認印
   B)印鑑証明書(発行3カ月以内の日付のもの)及び実印

なお、当事務所では、相続手続のご依頼をいただいた場合、ご希望により行政書士が代理人となって公正証書遺言の検索システムを利用することが可能ですので、ぜひご活用下さい。